13と9

私がやっているヨガはアイアンガーヨガといって、道具をいろいろと使う。椅子だとか、ブロックだとか、毛布だとか。

今日、ヨガが始まる前に道具を揃えている時に、フと木製のブロックに目が止まった。整理しやすいように、二個一組のブロックには番号がついていて、あっちこっちの番号はすでに誰かが持っていってなくなっているのに「13」の番号のついたブロックだけがポツンと残っていた。やっぱり「13」って、こっちでは人気のない番号なんだよなあー、と思いつつ、私もついついそのブロックを避けた。13のブロックの隣りで残っているのは「9」のブロック。こいつはこっちで不人気というわけでもないのだろうけど、今度は私の心が「苦苦苦」と叫ぶ。結局、13も9も避けて、17番のブロックを使用した。

みっちりヨガをやって、空気の冷えた外に走り出たら、冷たい満月が昇ってた。まんまるの月の中で、兎が餅をついている。どう見たって私には兎しか見えない。でも、私の前で月を見上げているおばさんは、その月の中に、にやけたおっさんの顔を見てるのに違いない。

世界は一つじゃない。こんな時、そう思う。

☆ 凍る月兎にココア捧げたり