天の川は見えません

どこにいても、そこが地の果てであっても、ラッコがきょろっと顔を出すV市であっても、必ず節分と七夕だけはやるということに決めていて、でもここVには笹の葉さらさらなんてのがその辺のお店で売っているわけもなく、いつもこの日が来るととっても困る。

七夕の笹に良さそうなのが、こっちでは生息してないというわけじゃない。近所を歩いていると枝振りの素敵な手頃な笹竹の植え込みなんかが割とあちこちにあって、それを見る度に「一本欲しいなあ、欲しいなあ、欲しいなあ」と思うのだけれど、さすがに夜陰に紛れてタタタっと行ってサササっと一本取って来るような勇気も行動力もない。すごく、ものすごーく欲しいけど、枝一本でも泥棒はいけませぬ。

というわけで、毎年、笹竹に見立てたものに七夕飾りを吊るすことになる。適当な木の枝でやったこともあるし、旅行中だった時にはホテルのブラインドに吊るす(挟む?)なんてのもやった。今年は、家に丁度あった「ミリオンバンブー」に吊るすことにした。なんとなく名前が成金趣味ではあるが、見た目は竹族であること間違いなし。丈が短いのでぶら下げるというよりは盛り上げるという風情だけど。短冊だけはちゃんと五色に揃えてみた。

今日は気温が上がって、空はどこまでも晴れて雲一つなく、夕暮れはプラネタリウムそっくりに蒼く澄んだ空がドーム型に広がっていて、街の光で天の川は見えなかったけれど、窓のど真ん前に北斗七星が昇ってた。織姫と彦星は間違いなくデート中。ちょっと照れる(なぜ?)。

朝顔日記:20日目:今日は暑い。と、大きくなった双葉の真ん中んところをよくよく見ると、何かチコっと出て来ているぞ。ものすごく小さいけど、確かに。

☆ この星も星なりけりや星祭