蛸世界憧憬

サッカーの勝ち負けを予言するタコというのが評判なのだが、私は全面的にタコを支持する。ドイツ対スペイン戦も、まあ最初からスペインを応援してたということもあるのだけれど、タコがそう言うのならそうなんじゃないだろうか、とかなり期待していたら、そうなって、タコすごいと思った。まあこれを単なる偶然です、というのが普通なのだけれど、しかしタコだよ、犬でも猫でもないタコ、そのタコがわざわざお出ましになるところの意外性が楽しい。

タコとサッカー、もう全く全然何の関係もないこの二者。タコがどっちのフタを開けて餌を食べるかなんてのと、地球の反対側で起こっている人間どもの営みと、関係あるわけないじゃん、と再び人は言うだろう。しかし、タコですよ、タコ〜。あの、足が八本あって、もう何を考えているのか人間の浅知恵では計り知れない、謎の生物のあの頭のでかいこと。そこに脳味噌が一杯詰まっているのか、と思いきや、あのまん丸くてどう見ても頭かと思う部分はしかも胴体だって言うのだ。脳味噌の分量はどう考えても人間より少ない。しかし。タコは体の色だって変えられるし、伸びるし縮むし、くっつくし、人間ができないことをいろいろできる面白いヤツなのだ。

その昔、誰かが「どうして魚って喋らないか知ってる?」と言うので、そうだなあ、どうしてかなあと真面目に考えていたら、「魚はもう既に世界のスベテのことを知ってるから、喋る必要ないのだぞ」とかいう尤もらしくて胡散臭いのがその怪しい友人の答えだった。でも、その何の根拠もない理由づけに、その時は「そうか。深い」なんて唸ってしまったのだった。

というわけで、何にも知らない人間である私は、今日もまたベラベラと戯言をしゃべりまくっていて、サッカーの勝敗予想をしても、いつもハズレる。

いっそ一日だけでもタコになって、タコワールドとはいかなるものなのか、知り尽くしてみたいものだ。吸盤でぷちゅっと吸い付く感じとか。

当るかな、明日のタコ氏。

朝顔日記:21日目:昨日チコっと出てた双葉の真ん中の何かが、更に大きくなっていた。といっても1ミリくらい。これは第三の葉っぱなのか、それとも蔓なのか。今日もカンカン照りで暑い。水を朝と夕方の二回にする。

☆ 水槽の蛸人類を笑うなり