宇宙的図書館
今日も雨。フレディは今日も緩やかに泳ぐ。
スタバの本拠地としても有名なS市は、特に海の近くには急な坂道が多い。
雨水が凄まじい勢いで流れていた。
水というものは高いところから低いところに流れるのだなあ、
という
当たり前のことに感心した。
これを下から上に流すのは、無理だなあ、とか
また当たり前のことを考えて、
なんだか悟った気分になった。
依然、ラッコは缶詰になっているのだが、
私は折角だから、美術館でも見に行こうと、
雨の街に飛び出した。
SAMという名の、街の美術館はお休みだった。月曜火曜定休。
仕方がないので、斜め45度くらいに感じる坂道、というか、雨水が流れ落ちる滝のようなところをぐいぐいと登って、
S市の公立図書館に行ってみた。
S市の観光名所としては、パイク・プレイス・マーケットだとか、スペース・ニードルというタワーだとかが有名なのだけど、私はこの図書館がイチオシだ。レム・コールハースが中心となってデザインしたっていうこの建物、すごく気持ちいい。
巨大な宇宙船の中みたいだよ。
黄色い光のエスカレーターで昇っていくのはすごくワクワクするし、限りなく緩やかな坂をテレテレ下ってくるのも楽しい。なんのことかよくわからないだろうが、ぐるぐる歩き回っているだけで、インスピレーションが舞い降りて来る図書館なのだ。
しばらく前衛演劇の本をペラペラめくって、またぐるぐると本の宇宙を彷徨って帰って来た。いっぱいいいものを吸い込んだ。満足。
深呼吸ができる建築っていいなァ。凄いなァ。
と、久々に素敵な溜息が出た。
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