脱皮

近頃フと思ったのだけれど、
人間というのは、哺乳類に分類されているのだけれど、実は脱皮する生物なのではないかということだ。
最近、いろいろな人に出会うのだけれど、
割と若い人も、もうかなり人間を長くやっている人も、
言葉ではっきりと「脱皮」とは言わないけれども、
どうやら脱皮したがっている・脱皮している・脱皮した・脱皮できない、というようなことを遠回しに会話しているようなことが多い。
こちらからみると、随分と窮屈そうだから、気軽につるんと脱いじゃえば?
と思うようなこともあるし、
もうこれ以上脱がなくても、十分に楽そうな人でも、まだまだ脱ぎたい、変態したい(変な響き)なんて、常に脱ぐ気満々な人もいる。
半分くらい脱いで、また着直したような人もいる。
どうやったら脱げるんでしょう、どうやったら。
そう悩み悩んだ朝、フと見ると「あれ?」と脱げてた人もいる。
脱ぐ気もなかったのに、脱げてたという人もいる。
脱げた殻を引きずってる人もいる。

脱ぐ時は潔く。
さてさて、こちらの皮は、いつ脱げるのやら。

☆ 起きがけに脱げたる皮や春深し