一日のはじまり

近頃、金曜日の朝は早い。
朝8時に仕事が始まる。
朝日が白い。
かつて、勤め人をやっていた数年間を除いて、
朝8時から仕事なんてことは、ほとんどなかった。
F犬街で舞台の仕事をしてた時には、
夜はやたらに遅いことが多かったけれど、
朝は稽古がある時で11時、
舞台の本番がある時には、3時入りとかだったし。

朝に弱く夜に強い体質だから平気だったけど、
その後、どんどん夜更かしが進み、
午前三時過ぎまで起きているようになった頃に、どうも調子が悪くなった。
それから長い時間をかけて、また朝が戻って来た。

ちょっと眠いのだけれど、階段を駆け下りて重いドアを開けて外気に触れる瞬間、
その光と空気の透明さ、まだ生まれたばかりで汚れていない一日のはじまりの時間があまりに奇麗なので、思わずハっとする。もうここのところ何週間もこのドアをこの時間に開けているのだけれど、その度に、慣れもせずいちいちハっとするのが不思議だ。

☆ 日陰さえ透き通っており春の朝