声 to 耳

映画祭のミーティング。今年のフェスティバルにどの映画を招聘するかを決める時期なのだ。なんて、偉そうに言っているが、こんな仕事をするのは初めてのこと。毎年映画祭をやる某ソサエティの理事(大変に偉そうな名前だ)になったのは、去年の秋頃だから、まだピヨピヨのピヨコ理事なんであるが。

映画を選ぶのは、楽しいけど難しい作業。なるべくフレッシュな映画を選ぼうとするので、まだ観ていない映画の中から、内容紹介やレビュー記事なんかを参考にしながら、面白そうなのをまずセレクションすることになる。他の映画祭で賞を取った映画や、既にあちこちの映画祭で上映されている映画はやっぱり目につく。そういう「既に評判の」映画を、ついつい選びたくなってしまう。

別にそういう選び方が悪いわけでもないのだが、本当ならば、まだ世に出ていないスゴい映画を掘り出してみたいという気持ちがある。どこかで、発見を待っている隠れた才能がこっそりと光っていたりするかもしれないから。

こういう作業をしていると、作家にとって、自分の作品の情報をいかに発信していくかが、とても重要であることが分かる。全ての作品を世界のあらゆる場所に出掛けて見て判断することが実際には不可能であるから、インターネット上に作品の情報があるかないかでは、大きな差が出て来る。ここにいるよ、との声さえそこにあれば、誰かの耳に届くかもしれないから。

☆ ネット窓見てぐすん春の風邪