世界の縮図

やらなければいけないことがたくさんあって、頭がごちゃごちゃしてきた。どれを先にやったらいいのかよく分からなくなって、あっちをやったりこっちをやったり、どうも落ち着かない、どれも終らない。手帳に「今日やること」なんてのを並べて書いてみるのだが、それでもいつまで経っても、何も片付かない。

というわけで、今日は新しい試み。

頭の中にある「やんなきゃ」を、全部デカい紙にデカく書き出してみた。この場合、「デカい紙」というのと「デカく書き出す」というのがポイント。

デカくデカく書いてみたら、「あ、これをやる前には、こっちをやらないとだな」、「こっちよりこっちが大事」「ややや、たくさんあるなあ」などなど、一望によく見える。なかなかいいぞ。デカく書いたお陰で、仕事がちょっとはかどった。

そして、一つ終ったら、これまたド太いマジックで「おわり〜」っとばかりに線を引く。この快感ったら。

夜は観劇。Vで開催中のパフォーマンスフェスティバルの一夜。観劇とはいえ、今夜のはかなりの変わり種。ベルギーのF犬街のグループBerlin(アントワープのグループなのに、ベルリンってところがややこしい)の『Bonanza』。家が五軒、住民が7人しかいないアメリカの片田舎の元・鉱山の町Bonanzaの暮らしを追ったドキュメンタリー。舞台の上には、この町の縮小模型が作られていて、ミニチュアの家がちゃんと五件。そのジオラマの下に5つの小さなスクリーン。このスクリーンに五軒の家の住人が映し出される。

映画と演劇と、美術展示が一緒になったような不思議な作品なのだけれど、五つの映像の編集がなかなか秀逸。見えている部分といない部分、ご近所さんなのだけれど、とりわけ仲が良いわけではなくて、いろいろと確執もあるし、お互いに鬱陶しい、迷惑だ、なんだか怖いなんて思いながらも、それでもやっぱりわざわざ(周りにはほぼ無限に土地があるにも関わらず)この場所にくっついて住んでいるのが不思議だ。世界の片隅の五軒7人を描いたところで、何が見えて来るの? なんて疑問が沸くが、この片隅には、間違いなく全体が隠れている。どんな片隅でも、じっくり目を向ければ、世界の縮図がそこにあることに気がつくってわけだ。

☆ ミニスカとブーツの距離や春近し