頭痛のメダカ

一日中、頭痛に悩まされた。風邪を引いたらしい。変な時間に昼寝をしたら、変な夢を見た。

私はピアノの前に立っていて、たくさんの楽譜が置いてある。
周りには子供がたくさん集まっていて、まだかまだかと待っている。
何を待っているのかというと、歌を習うのを待っているのだ。
私は先生で、子供達に歌を教えなければいけない。
どの曲がいいかしら、とあっちの楽譜、こっちの楽譜をめくるのだが、
なかなか、いい曲が見つからない。
というよりも、どの曲も知らない曲で、
初見で伴奏を弾くにはちょいと難しそうで、手が出ない。

なんか、もっと有名で簡単な、
メリさんの羊みたいなのないかしら、と必死で探すのだけれど、
ぜんぜん見つからない。
子供たちは、もう待ちきれなくなって「ねえねえねえ」と攻めて来る。

とまあ、これだけの夢。

これは「本番なのに、台詞を覚えてない」「ピアノの演奏で、もう舞台の上にいるのに、全然練習ができてない」等々、よく見る「準備ができてません夢」のバリエーションの一つ。フロイト氏のお出ましを願うまでもなく、この夢が示しているものは、現実に何かの準備ができてません、やるべき練習をしてません、間に合いません、焦ります、やばいです、すみません、というようなことに間違いない。非常に分かりやすい夢で、自分でも笑ってしまう。

Nからの郵便が届き、中に家族が初詣で私のためにもらってきてくれたという「開運易断」なるものが入っていた。現在の私の運勢は「潜水運と謂う」のだそうである。

「貴方の運勢は竜の大湖に潜み正に天に昇らんとするが如き象なり」

だそうである。竜であるかどうかは別として、(どっちかというと、メダカみたいなもののような気もするが)確かに湖あるいは底なし沼のようなところに長らく潜んでいることだけは間違いない。それが天に昇るかも、というのだからちょっと希望が持てる。でも、その後に、「ただし、がんばればね〜」みたいな言葉が続いている。

がんばります、と言い切るしかないだろう、この場合。
そんなことを思いながら、頭痛のメダカのちっこい目はややキリっと輝いたのだった。ちこちこ。

☆ ふと見れば水仙の芽の百二百