種は蒔いておこう

昨日ブライアン・イーノが自分のことを「ガーデナー」に例えたからってわけでもないのだけれど、種は蒔いておくのがよろし。と思う今日このごろ。

ここのところ、ずっと前に種を蒔いて、芽が全然出ないのでもう忘れていたような場所に、チコっと芽が出現するような出来事が続いた。3年前くらいに叩いたドアが今開く、というような感覚と言ってもいい。

そんなに待てないよ、ということもあるのだけれど、蒔かぬ種の芽が出る確率は蒔いた種の芽が出る確率よりもずっと少ない。種を蒔いたからとて、その全てが出芽して花になるわけではないのだけれど。それでも種は時間のある時に、丁寧に、ここだという場所に蒔いておいた方がいいらしい。

不思議なもので、毎朝毎夕、その問題の一角を眺めながら今かな今かなと見張っているような時には出芽せず、忘れた頃にひょこっと出たりする。待ち過ぎずに、でも時々は水をやっておくくらいの距離感というのがいいらしいのだが、これが結構難しかったりもする。何も起こらないからって、絶望したり、そこんとこをやたらにスコップでつついたり、お湯をかけちゃったりなんかしたっても、起こらない時には何も起こらないのだ。ほんの少しだけ、宇宙の法則ーどこの何がどうやってポコっと押し出して、へっこんで、パコリ、グググと動いて、ある朝小さな葉っぱが世界に出現する、その仕組み―が分かって来たぞ。

今蒔くと、2015年くらいに咲くかもしれない。さて、次はどんなの蒔こうかな。

☆ 匂いしてドア開けたれば夜の雪