大晦日

別に誰がそうしろと言っているわけでもないのに、大晦日になると、私はむくむくと日本人になる。かつて炬燵のあるお茶の間でみかんの皮を剥きながら、ついでに落花生の皮も剥いていた頃の私が、頭をもたげるのだ。

あの、大晦日を再現せねば。
完璧に、は無理だけれど、出来る限りの範囲で。
おせち料理らしきもの、
大そうじ、
やっぱり紅白歌合戦は見たいし(できるんだ、これが)、
お餅も買っておかなくちゃ。

でも、Vで可能な日本風大晦日にはやはり限界があり、
そもそも、お雑煮の作り方をググる始末。
サーモンはあれど新巻鮭にはお目にかかれず(探せばどこかにはありそうだが、捜索に出る時間なし。仮にアラマキさんを見つけたとして、今度は家に魚グリルがない)、
晦日的なものを買いそろえても、ちょっと顔付きが違う。

それでも、やっぱり日本の大晦日をやろうとするのは何故なんだろう。
いっそのこと、この不思議な気持ちを「日本人の心」だなんて、
紅白の司会者みたいに言い切ってみちゃおうかしら。

今年も暮れ行く。
皆様、よいお年を。今年も一年、ありがとうございました。

☆ 祖母の味試してみたり大晦日