アジアとの再会

郊外の街Rで、
一日、NPOの資金調達に関するワークショップ。
アジア映画祭を企画したりしているこのNPOを最近手伝っているのだけれど、
メンバーの顔ぶれが面白い。
8割くらいは中国系。しかもNew immigrant、つまり移民の第一世代として割と最近(ここ5年〜15年くらいの間に)カナダにやってきた人が多い。

中国系と言っても、中国本土、台湾、香港から来た人が混じっていて、それぞれ言葉が違うので、「へー、マンダリンでもそういう言い方するんだー」とかなんとか言いながら、やっている。で、全体で話す時は英語。その方が、実際、通じやすいくらいらしい。

台湾から移民した女の子は、「台湾の言葉は、日本語の影響が結構あるんだよね。だって、日本の植民地だったでしょ」と、ややこっちに目配せしながら、ちょっと含みがある感じで言う。確かに、最近見た台湾映画の中の風景は、なんだか東京のどっかみたいで、そこに描かれている若者の恋愛も、なんだか今どきの日本ととても似ているような気がしていたんだよな。私は「そっか」と思ったものの、日本が台湾を統治していた時のことを、ほとんど知らないことに思い当たった。

これは、恥ずかしい。
日本を離れ、F犬街を経て、Vへ。北米文化の、ハンバーガーの厚み、冷蔵庫のデカさなんかに驚いていた時期を過ぎて、Vの中で再びアジアと出会うことになった。ぐるり世界を一回りして、一番近いご近所さんであるはずのアジアに、こんな所で出会い、何も知らない自分に気づいて愕然とする日が来るとは。誰も教えてくれなかった、もしかしたらどこかでずっと避けていたのかもしれない空白を、自分で少しずつ埋めて行くしかない。

☆ 水鳥の点もう一点に接近す