おでん、そして映画

友達と、おでん大会をやることにした。しかし、彼女も私も、本当はおでんなんて一度も真面目に作ったことがないのだ。何を入れる? というところから始まって、ダシはどうするんだというところでも、かなり迷う。世の中には「おでんの素」などというものが存在するわけだが、だいたい「素」がついているものにはMSGすなわち化学調味料が入っていることが多いんじゃないか、という結論に至り、ゼロからダシを作ってみることにした。

そこでレシピでも見るのかと思いきや。大胆にダシ昆布と鰹節を煮立てた湯に投入。そのまま適当に煮出してみた。なかなかそれらしい香りがしてくる。そいつを漉して、準備完了。大根はちゃんと下茹で。こんにゃくもちょっと茹でておく。この辺りは、なんかそんな感じじゃなかったかな、と遠い日のおばあちゃんの台所などをほおっと思い浮かべつつやる。友達は砂糖を入れるんじゃないか、と力説したのだが、とりあえず味付けは醤油とみりんでやってみた。

よし。案外、それっぽい味。とにかくトロ火で煮込んでいくと、いい感じに完成。

そして、たっぷりとからしをつけて、鼻をツンツンさせながら、更に娯楽としてこんなのをDVDで見つつ。食べる、食べる。

しかし、イギリスのコメディってのもツンと来るなあ。これぞ、ブリティッシュ・ユーモアってやつなのか。差別ネタの目白押し。しかし、こういうのを差別のなんのなんていうレベルすら超越してゲラゲラ笑ってしまうところがイギリスの懐の深さなのかもしれない。それにしても、この『リトル・ブリテン』+おでんって、すごい取り合わせだよ。やってみるといい。おでんが、おでんを超越して、もうツンツン来るのって、来るのって。

友達が帰った後、もう一本映画。V図書館で、ぱっと目に留ったのを借りて来たやつ。

いちばん美しい夏 [DVD]

いちばん美しい夏 [DVD]

出て来る人が、どの人も見た事がない俳優さん(なのかしら)なので、やたらにリアル。演技が自然で、ドキっとするような間ができてたりする。この映画の唯一のスターは南美江さん。演技なんてのすら越えた存在感が、画面を引き締める。ただ、居眠りしているだけのその顔を、いつまでも見ていたいような。なんとなく、ウチのおばあちゃんにどこか似てるような気がして、何度も何度も、画面をじっと見た。

☆ コスモスの祖母の背丈を越えにけり