読む秋

そうだ、秋と仲良くするには、これに限る。そう思ったのが先だったのか、Vの日本本屋のセールに気づいたのが先だったのか。とにかく今日は、ダウンタウンまでてこてこと歩いて行って、本屋の棚を舐めるように一時間程スキャンした。その結果、セールだから一冊一ドルという超安売りであることもあって、肩にずっしり食い込む程の秋、すなわち本たちを持ち帰ったのであった。

一時間も本屋をスキャンしていると、結構疲れる。帰り道に、カフェに寄って、早速本をパラパラと開いてみた。おいしいぞ、おいしいぞ、おいしいぞ。

今日は、好きな作家のと、普段読んだことのない作家のと、とても美味しそうなのと、これは食べておくべきか、というようなのと、いろいろ取り混ぜて買って来た。15冊くらい。たぶん、一冊くらいは、前に読んだことがあるのをもう一度買ってしまったかもしれない。Vでの生活では、私は大抵の本は読んだらすぐに売ってしまう。売らずに取っておくのは、全体の2割くらい。その結果、「あ、この本」と思って、前に読んだのと同じやつを手に取ってしまうことが起こるのだ。読んだことを一瞬でも忘れちゃってるというのは、それほどインパクトがなかった本なのかもしれないし、何度でも手に取ってしまうということは、やっぱり気になる本なのかもしれない。

今日は、カナダグース20羽くらいの集会を目撃。オリンピックの選手村のすぐ横の、まだ開発されてなくて空き地になってるところの水たまりに集結してた。どうしよっか、もう秋らしいから、南に行こうか、今日にする? それとも明日? なんて具合だ。

カフェで早速読んでみた本の中にあった、この句の世界と重なった。

雁のしんがりにつく魂ひとつ  葛西杏維子

解説がまた、とても面白い。

現代俳句の面白さ (新潮選書)

現代俳句の面白さ (新潮選書)

☆ 丸めたる鼻紙ひとつ秋のカフェ