夕焼け派

夕暮れ時に散歩するのが日課となった。夕焼けが余りにも美しいので、見逃すのがもうどうしても勿体ないのだ。

朝焼けも捨て難いけれど、どちらかを選べと言われたら、迷わず夕焼けを選ぶ。

夕焼け派には、かの有名なlittle princeがいるわけだけれど、夕暮れというのは美しさと、何かが一つ終わるという悲しさのようなものの絶妙なカクテルであって、そこに潜んでいる美の深さと透明度は、これから始まる&いつまでも終わらないもののカラっとした笑顔のような美しさとは別世界のものだ。また明日が始まると知っていても、夕暮れというのは、いつも物悲しくて、でもその目盛りの翳りへの大きな振れ具合に比例するようにとびきり美しい。朝焼けは心の外側に開いていて、夕焼けは心の内側の奥の方に映る。その奥の方の、自分のものでもないような、遠い思い出が夕暮れの光の中に浮かんでくる。その懐かしさには、生まれる前の時間まで遡っているような不思議な優しさと寂しさがある。

朝顔日記:27日目:三つ目の葉が大きくなったなあ、と思っていたら、その付け根のあたりに、何かチコっともう一つできはじめている。次の葉っぱ?

☆ 夕焼けを集めし小瓶仕舞ひけり