へからUVへ

今日はなぜかしら、ブルーな気持ち。いつもならば、ここから紫紺、濃紺、漆黒、闇へと堕ちて行ったりもするのだが、そんなことをしている暇はない。ブルーな時には口元がどうしてもへの字になってしまうのだが、このへの字をVの字へと無理矢理変換する。

内側がブルーであるというのに、外側だけピンクとか、そういうことはあり得るんですか? ということになるのだが、内面が表面を作るばかりではなく、表面が内面を作ることもあるので、Vがへを駆逐するということもあり得るのだ。

ブルーな時というのは、体の中に何がしか悲しみの液体がちゃぽちゃぽと溢れていて、ちょっと呼吸が乱れるとそれが「うぐっ」と外に出そうになる。こうしたものが涙だとか嗚咽といった悲しみの表出になるのだけれど、これがすなわち感情であるのかどうかはよく分からない部分だ。むしろこの悲しい液体は感情の残していった垢のようなものであって、当の感情は既にそこにはいないことも多い。そのくらい、感情というのは移り気なのだ。赤ん坊が泣いた後にすぐ笑うという、あれが本来の姿なのかもしれない。

大人になると、感情が残していったものを、いつまでも保存できるようになるので質が悪い。冷凍保存しておいて、いつでも解凍、なんてことすらある。ブルーになると、こいつらが、じわじわと溶け出し始めるのだ。そこで強烈なV攻撃。口角を上げて、笑みを無理矢理作る。これはお掃除部隊のようなもので、冷蔵庫で眠っているブルーの欠片たちをぽいぽいとゴミ箱に捨てるのだ。あるいは、溶けて零れ出そうとしているものを吸収力抜群の万能ふきんでジュっと拭き取り、あれ? さっきまでそこにあったはずのぐじゅぐじゅが、消えたぞ、なんてことを起こすのである。

いろんな感情の残り物がいっぱい詰まって、開けるのも恐ろしいような心の冷蔵庫。半期に一度くらい、V U V U O O O !!! とかそういう手段で、とことん掃除しておいた方がいいのかもしれない。

朝顔日記:10日め:二つの双葉が並ぶ。四角っぽい変な形。朝顔って、こんなのだったっけ?

☆ ブルーなる朝や黴たるパンの端