ベストへの道

今日も用事があり、朝出掛けたのだけれど、花は散り、たんぽぽは綿毛となって飛んだ後のスティック部分だけを空に突き出しており、街はちょっと乱雑な感じ。
とはいえ、自然物というのが凄いのは、この花びらだの、先端が丸っこくて変てこな形のたんぽぽスティックも、誰も掃除などしなくても、そのうち消滅する。
枯れてくるとものすごく小さくて、とっても私の眼には見えないような微生物なんかがびっしりついて、そいつを美味しく頂き、そして地面に達すればミミズ氏の大活躍。そうやって、土に戻る。ちらり、と眼を泳がせただけでも、道端にはビニールの破片だの、紙屑だの、プラスチックカップだの、自然消滅できない輩もいっぱい放置されている。なあんだ、またプラスチックかよ...という微生物の溜息が聞こえた、ような気がした。

ラッコ車を待つ間、入った事のないカフェに入ってみた。ベスト・コーヒー・イン・サウス・グランビル(Vの中の地域名)とかお洒落っぽく書いてあるので、かなり期待したのだが、入ってみるとまあ普通の喫茶店で、やたらに老人の姿が多かった。とはいえ、私はオーガニック・ミントティーなんてのを飲んだので、コーヒーが果たしてベストであったかどうかは不明。ベスト・コーヒーという触れ込みはよく見かけるのだが、ベストではないことが多い。本当のベストに出会ってみたい。これがもしかしてベスト・イン・タウンかも、というお店は知っている。そこのオーナーは、コーヒー豆の話をし出すと止まらず、しかもベスト・コーヒーを飲んでいる彼はやたらとハイで、すごいノリらしい。そんなものについ捕まってしまうと大変だが、そこにはコーヒーへの愛があるわけで、それだけでもベストに一歩近づいている。やっぱり、愛なんじゃないだろうか。ベストへの道はいつも。

☆ 吾一人残りしカフェや春の午