雨。

雨になった。今日の雨は、春雨なんていう優しいものではなくて、とても冷たい。
足が冷える。またこれで三歩冬の方に後退なのか、と落胆していると、また明日の朝がやたらに白い光に包まれていたりもするので、
世界とは予想を超えた場所である。
この気まぐれとも、闊達とも言える世界の流れに呑み込まれずにゆくには、
晴れても、降っても、いちいち跳ね上がったり沈み込んだりせずに、「あら、晴れたわ」「あら、降ったわ」程度に受け流して、
一日を結構同じように(これはフリなのだけれど)過ごして、でも、やっぱりちょっとだけ跳ねたり、ちょっとだけひれ伏したりする程度で終えておけばいいんだろう。今日雨が降ったということは、また晴れる日が来るということで、いつもいつも晴れだったら、次は雨しかないのだもの、雨もある意味ラッキーなのだ。
それに、この雨によって、いろいろな芽だの生き物だのが、いよいよ夏に向けての疾走のエネルギーを貯めているらしく、なんだか地面がふつふつとしている、

☆ 行く春や遠い人の名検索す