変化球的クリスマス

クリスマスだ。サンタさんが来た。起きるとプレゼントが届いているだなんて、なんという素敵な朝だろう。サンタクロース氏がこれを考えたとしたら、彼は天才だな。世界中の子供をこんなにワクワクさせるものすごいパフォーマンスを思いついたのだもの。

世の中では家族で集結してクリスマスを過ごし、クリスマスイブのディナーに続いて、クリスマスディナーなどが繰り広げられる日なのだけれど、本日ウチでは特に集結とかディナーとかの予定がなくて、主なイベントはソージなので、十分なエネルギー補給のため、まずはふらりとJカフェでブレックファストと洒落る。クリスマスの日はほとんどのお店が閉まっていて、かのスタバですら閉まって街が静まり返っている朝に、果敢にも店を開けたJカフェはすごい。クリスマスだもの、お客さんいないだろうな、という予想を裏切り、ものすごく繁盛してた。商売のイロハだな。人が閉めてる時には開けるべし。

クリスマスの朝、プレゼントを開けた後にのんびりカフェで朝食ってかなり楽しかった。ぜひ年中行事としたいなあなんて思いながらカリカリベーコンのちょっとスモーキーな味が口の中に広がる。んー。ほわほわほわ。Vのクリスマスの朝はNの元旦の朝に似ている。道路を走る車の数も、歩道を行く人の数もいつもよりもずっとずっと少なくて、街はがらんとして、ホっと一息ついている。変な考えだけど、人のいない街って結構好きだ。人がいなくなると、街が何かひそひそ言っているのが聞こえる。普段は車の騒音や、携帯でおしゃべりしているいくつもの声にかき消されて聞こえないのだけれど。

ソージ、ソージ、ソージ。それからちょっと外に写真撮りに出掛けた。天気イマイチ。またソージ、ソージ。

ソージの途中で料理も出来ないし、なんといってもクリスマスだし、とラッコ車に乗り夕ご飯ハンティングに出掛ける。クリスマスはレストランもほとんど閉まっているので、飯にありつけるかもちょっとした賭けである。あちこちにクリスマスライト。ぴかぴか。きれいー、なんて見つめてる場合じゃない。OPENのサイン、店の明りを夜が更けぬうちに探し出さねば。だいぶぐるぐるあちこち回って、どこだかよく分からない通りにあるインド料理やにポっと明りが点いているのを見つけて入る。壁が黄色くて、椅子は赤いベルベット。こぢんまりして暖かい。あつあつのタンドーリ・チキンを口に運びながら、クリスマスはやっぱインド料理だよな、と、ぜんぜん辻褄の合わないことを当然のことみたいに感じてみたりした。お店からのクリスマス・サービスです、とウェイターさんが最後に運んで来たのは、ミルクのたっぷり入ったチャイだった。あ、このスパイスの感じ、内側からミルクと一緒にほかほかしたものが深いところに届く感じ、これは間違いなくクリスマスの飲物だ。なぜかインドでカチっとメリークリスマス。はまった。