ネオカフェ出現!

本日も快晴。キリっと寒いけど、朝からこんなに降り注ぐ光。素敵だ。と、朝早くから用事を澄ませて、Vの南の方から、北に聳える山とハーバータワーなんかを眺めながらダラダラと坂を降りて来ると、あれっ。昨日までは無かった何かがそこにあった。

新しいカフェ開店。この近辺はオリンピックの選手村にも近いし、新しく空港とダウンタウンを結ぶカナダ・ラインの駅のすぐそばということもあり、新しいビルやらお店やらスーパーマーケットやら銀行やらがやたらと開店しているホットな地域。当然カフェもここ一年くらいで新しくできたのがいくつもある。でもでも。なぜ、このカフェがそんなにズバっと目に飛び込んで来たかと言いますと。看板に日本語が書いてあるのだ! 「...カフェ」とちゃんとカタカナで。

しかし、Vを侮ってはいけない。日本語が書いてあっても、横書きのサーモンがサ|モンになってたりして、店員さんに日本語で話しかけてみると「?」が飛び出る日本食レストランなども頻出するので、...カフェとあったからといって、そこに懐かしい日本のかふぇぇがあるとは限らない。つい最近この店の前を通った時には窓がまだ新聞紙で塞がれていて「coming soon!」なんて書いてあったのだけれど、いつの間にオープンしたのやら。このエリアはウチのすぐ近くということもあり、まるで猫か何かのように角角路地路地を日々徘徊しているので、ちょっとした変化も見逃さないのだ。この並びには最近、日本食レストランと博多とんこつラーメンやもできたのだけれど、日本食レストランの方は外から覗いてみた感じ、どうもピンと来ないので、まだ試していない。ラーメンやは替え玉なんかすら頼める本格派。ついつい北風が寒い日などにはフラっと引き寄せられそうになる。

さて。...カフェなどとカタカナで看板を掲げている茶店に入らずに素通りするわけにはいかない。ここは豪快にドアを開けて入店。レジにはおお、大和撫子および日本男児らしき若者の姿あり。ここからがちょっと勇気がいる。英語で話そうか、それともいきなり日本語いってみるか。日本語で話しかけたら中国系あるいは韓国系だったなどということもよくあるので、ちょっとした賭けなのだ。でも、日本人同士で英語で話すってのもそれもこそばったいし。と、思い切って日本語で話しかけてみたら日本人だった。おー。

オーナーさん夫妻も丁度お店にいて、ついついおしゃべりなどしながら長居してしまった。自家製のクリームパンやあんぱんなんかもあって、さっきまで朝の低血圧でよどよどしていた体やら心の入っている小部屋やらにぱっと明るい陽が射し込んで、なんだかとりとめもなく楽しくなってしまった。オーナーのご主人がやたらオモロイ人で、なんというか、おしゃべりしているだけでエネルギーがこっちに注がれて来るような。気づいたらやたらにガハガハ笑っていた。お茶一杯でここまで幸福な気持ちにさせてくれるとは。すばらしいカフェだ。

奥様が焼いたというクリームパンは丁寧に美味しく、私はそのクリームをぺろぺろやりながら、なんだかこれからこのカフェに入り浸ってしまいそうだなぁ、Vは本当に不思議なところだなぁ、日本語はやっぱりいいなぁ、人に出会うのは楽しいなぁ、などとなぜかしら感謝とか感激とか感動とかに近い明るい色の心からすっと一本花が咲くような心地して、坂道をややスキップしつつ、またしばし下りながらも、本日はなぜか心は体と一緒に坂を下りはせずに、晴天の青の更に上の方の透き通った方向に昇って行くらしいのでした。