普段使ってない場所

雨が、雨が、雨が降ってません、今日も。しかも朝方にはちょっとお日様の光が見えた。お懐かしい。ああ、思いっきり吸い込みたい、光の細かなつぶつぶ。内側から、明るく、暖かくなっていくよ。どんどん吸い込め、透明でニコニコしたこの粒子。用事にてダウンタウンのA国領事館まで出掛ける。相変わらず、玄関のところで怖い顔のガードマンさんらに空港なみのチェックされる。ベルトも外して、ゲートをくぐる。ポケットの中身も全部出せと言われて、出したら中からそれほど新鮮そうでない鼻紙なども出て来て、赤面。

でも、そんな赤面には全く反応しない強面のおじさんら。セキュリティー係があんまり愛想が良くても困るんだろうけど、やっぱり怖い顔した人間にチェックされる人間の図というのはあんまり楽しくない。ようやく中に入って、エレベーターを上がると、もう一回ゲート。またベルト外すのー。くどい。こういうのがなくても、みんなが安心してあっちに行ったりこっちに行ったりできる世界になるといいなあ。世界の信頼はどこから回復されていくのやら。頭の先からなのか、爪先からなのか。それとも中心の心があると思われている辺りからなのか。本日は靴は脱がされなかったけど。バッグの持ち込みも禁止なので、いわゆる丸腰。携帯電話も持ち込めないらしいので、携帯もなし。ポケットにお金をちょっと持って、あとは家のカギと、文庫本一冊。A国領事館内で読む『ラッセル幸福論』もなかなかオツなものだぞよ。

セキュリティー係さんらの威圧的な対応とは打って変わって、窓口の人々はとってもフレンドリー。ちょっとだけ気持ちがほかほかとして来た。やっぱり、人間の善なる側面を信じることだな。

どうも体の大切なところのネジがいくつか外れてユルんでしまっているような昨今なので、何か運動でもしてみようと思い立った。ここのところ、運動っていってやるのはヨガとタップダンスくらいで、雨が多くなってからは、長い散歩にも出られないのだもの。このユルんでズレている感じには、もしかしてコレかもとピンと来て、ちょっと前にVbookoffから調達して来ておいたのだ、この本。
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何しろVbookoffは極北のJ古本屋さんなので、特にこの本が良いとかそういう知識があって買って来たわけでもなくて、まあ、ピラティスの本は全部でも5-6冊くらいしかなかったの。CD付きで先生の声に合わせてやるという方式なら、ちょっとはヤル気が出るかもとフと思って買っただけで。

イヤホンを耳に突っ込んで黙々とやってみると。なかなか良い感じ。特に激しい運動でもないのだけれど、呼吸に合わせてゆっくりと体を動かしていると、すぐに汗びっしょりになる。普段使ってない場所を使っている感覚がものすごく新鮮。ユルユルズレズレになっているらしき辺りを駆使するらしきエクササイズをやると、もうガクガクっと劇的に大揺れするくらいに筋肉が弱っているのが分かる。人間の体も長く使っていると、機械のネジが緩んだり、ゴムのベルトがびよびよーんと伸びちゃったりするみたいにだんだんユルユルになってくるんだなあ。この辺りでちょっとまたぎゅぎゅぎゅっと締めておくと、体がも一度カチっとしそうだ。最近、足首痛腰痛なんかも出てたしね。

3ヵ月くらい続けてみないとホントのところは分からないだろうけれど、既に調子かなり良い。普段使ってない場所。頭も体も。心も味覚も。その辺りが狙い所らしい。何かが喜んでいる。やたらにきもちいい。