これがV巨人の手だっ!

随分前から巨人の手がVに出現だの、指先から煙を吹いただの、爪が生えただのと騒いでいるので、そんなハナシを読んでいる人は、巨人の手ってどんなのだろう、どのくらいの大きさだと巨人になるんだろう、色はどんなのだろう、形はどんなのだろうなどと、いろいろと想像して、頭の中でズバリサイズのやつ、やたらデカすぎるやつ、ちょいとちっちゃすぎるやつなどをいろいろと生み出していることであろう。でも、指先から煙ってのはどうだろう。

そこまで来るとダリの世界に突入する。自分の手をヂっと見て、指先から煙ってどんなかしらと眺めて見ても、なかなか中指から煙が吹き出したりは日常ではしないもの。中指やら薬指やらからほくほくと煙が時々たなびいたりしたら面白いだろうけれど。タバコとちょっと区別がつかなくなるのが困るけど、禁煙レストランで。と、その前にロートレアモンの世界に入ってしまうかもしれない。バッハを弾く指先から煙。フォークで鶏肉を突き刺す指先から煙。赤とんぼが止まるといいなと空に上げた指先から煙。

と、長い間空想だの想像力だのをいいように刺激しておいてだよ、突然に現実を見せるってのは、ちょっと残酷じゃないか。いや、すごく残酷だと思う。そしたら今までの空想がいくら美しいものだったとしても、消えてしまうのだもの。「なあんだ」というがっかりした声が今からもう聞こえてる。でもでも。

オリンピックなんてものが開催される場所ってのはどんなところなのだろう、などと世の人々の好奇心がとても高まっていることであろうし、オリンピックの中継で街が映ったら、巨人の手もチラっと画面に映ったりして、「なあんだ」とその時に思ってもうそれががっかりでオリンピックなんて見る気がしなくなったら大変だ。だから、今のうちにがっかりさせておくというのも悪くない。え、やっちゃうの。やります。

じゃじゃじゃーん。

これは爪がつく前。青空も爽やかな夏のハンド。まだ煙も出てません。

そして、ある日このように煙が私の指先から出て来たのです(低音の魅力にて巨人談)。

爪だよね、コレ。爪だ。絶対つめ〜。

さて。実はこの巨人の手がアートでもタダの無意味な建造物でもないことが判明。
なんとこの巨人の手は、下水道の熱を再利用する最新のエコ施設の一部なのだって。へぇー。巨人偉かったんだ。そんなお仕事してたんだー。
でもやっぱり、どうしても気になる。手に見える。そして指先から出る煙。絶対手だ〜。指だ〜。煙だ〜。
念じてたら、一生に一回くらい、出るかな、私の中指からも煙。出してみたい。