雨が来た

雨が来た。雨が来た。ついに来た。どこに来た。ここに来た。Vに来た。(春が来たのメロディーで...)

雨だよ、朝から。あーあ、昨日はちょっと夏っぽいとこまで回復したと思ったら、なだれ込むようにこの冷たい雨まで堕ちるとはね。街の全体が上も下も中間に挟まってるとこも、全部グレーだ。いよいよ来たか、Vが最もVであるようなこの恐怖の雨の季節が...。なんで観光絵葉書っていつもピカピカの晴天の写真ばっかりなんだろう。Vの絵葉書5枚セットならば本来は3枚は(ひょっとしたら4枚?)は雨のVであるはずなのにさ。うーん、それにしてもグレーだ。このグレーを頭の中にそのまま吸い込んじゃうと、脳内風景が灰色に染まってしまう。何か色のあること考えないと。とにかく家の中は電気代のムダと言われようと電気をパチパチと点けまくる。ああ、色とグレーとの闘い。いよいよ来たか...。よし、今年は負けないぞ。

などと、朝っぱらからグレーを目の敵にしながら街に繰り出す。当然、傘。裾濡れるんだよなあ、ちゅべたい。

こんな早朝から出掛けたのは、健康診断の一環としてのマンモグラフィー検査を受けるためなのであった。実は今まで一度もやったことがなかったの。日本でも、F犬街でも、ここVでも。というわけで、年齢も年齢なのだからこの辺でちゃんと検査しておこう、と反省しながら行ったのだ。ドキドキしつつ。やはり英語で医療関係のことをやらなくちゃいけないとちょっと緊張する。予約制なので待ち時間なし。技師のお姉さんがとっても優しくかつ熟練の仕事人であるため快適に終了。そうか、こういうものだったのか、マンモグラフィーと言うものは! これまでの無知を恥じる。拍子抜けな程に簡単だったが、あんなにサンドイッチのようになるのだとは知らなかった...。

一応、放射能を浴びているから、抗酸化作用のある緑茶を飲んだり、大量の水を飲んだり、野菜を食べたりしてねっ! とお姉さんに言われたので、その足でお気に入りカフェNo2へ。「洋梨緑茶」なるものを注文して、しばらくそれを啜りながら雨の窓の見えるカウンターに座って本読んだ。そしてまたその足でオーガニックスーパーに行き、大量のサラダミックスとダンデライオン・グリーンなるものを買う。ダンデライオンてのは言うなればタンポポである。これがものすごく栄養があるらしい。ちょっと見た目は違うんだけどね(デカい!)。たぶん野辺に咲くタンポポなども食べると意外と美味しいのだろうと想像する。今日はお腹がガバガバになるくらい緑茶を飲み、ウサギでもここまでは...というくらいバリバリと葉を咀嚼する午後。本当にこんなもので放射能が排出? されるんだろうか。でもなんか別の意味でも体がクレンズされそうな。

夕方、A国O大統領の議会での演説の生放送を見る。それにしても演説が上手いなぁ。A国民でもないのに、聞いているうちになんだかジーンとしてきた。間の取り方とか絶妙。でもまあ、内容あっての名演説だけれど。これがもしJ国の首相だったら...と必死に想像してみるのだが、想像すらうまくできなかった。想像くらいさせて欲しいなあ。一度でいいからジーンとさせて。お願い。

寒いのでレンズ豆のスープなど作る。雨が来た。雨が来た。降って来た。どこに来た。Vに来た。冷えて来た。