高見山が仕切る味

朝からなぜかやたら読みたくなって読書。その後さくさく仕事。って、今日は友達とお茶な午後なので。彼女推薦のモダン茶屋で会合。このお店、なかなかお洒落っぽい雰囲気。バリスタのにーちゃんねーちゃんらもなかなかお洒落系。コーヒーもいろんなローストが揃っていて楽し。カップの色は熊さんみたいな濃い茶色で統一。と、まだ何も頼んでないのに、私の目の前ににーちゃんが「はい、お水!」と水の入ったグラスを差し出した。カウンターで注文する形式のカフェでお水が出て来るとは思わなかったので「は?」と一瞬立ち尽くす。しかも透明な泡がグラスの内側一面にくっついて、午後の光を浴びている。スパークリング、スパークリング、スパークリングウォーター!

しかも、このカフェには外に小さなテラスがあって、デッキチェアなんかが置いてありちょいヨーロッパ風。F犬街でもこんな感じでお茶飲んだよなあ、とそんな青春の記憶が蘇るVの午後。カフェイン避けてチャイティー。大きなカップの表面がふわふわで甘い泡で覆われていた。

この友人とは大抵、どーでもよいことを話して過ごす。どーでもよいこととは、非常に重要な事、でもある。日常の、些細な話。体の健康。心の健康。昨日何食べたか。何か変わったことあったのか、なかったのか。これといったニュースないこと多し。で、いつも同じようなことを繰り返して話してるようでもあるのだが、3時間くらいすぐに経つ。友達との会話って、何を話してても結局「元気?」「元気。元気?」「元気元気。マジ元気?」「マジ元気。マジ元気?」「マジ元気元気」「よかった」「よかった」を繰り返してるようなものなので、会話にそれ程の意味がなくても全く問題ないのだ。茶の後は少し散歩。オリンピック村方面に足を伸ばしてみるが、この近辺は木陰が全然ないので(植えてある木もまだ小さい!)直射日光が当って二人してフラフラになる。

まずい、エネルギーレベルが下がってる! ピーコンピーコン。こんな時は、と、寿司屋に逃げ込む。V市は寿司屋がそっこら中にあるので、フラフラしたらすぐ寿司! なんてことも可能。と、お昼でもおやつでも夕飯でもない変な時間にカリフォルニアロールねぎとろ巻をつまむ。これってとってもV的な小腹対策なんじゃなかろうか。寿司屋=Vオアシスと、勝手に定義してみる。この寿司屋、最近できたばっかりのお店で縦書きの「サーモン」の文字の「ー」が「サ1モン」みたいになってる例のお店。教えてあげようかなーと思ったけれど、やっぱりやめといた。お店のお兄ちゃんは元気よく「いらっしゃい!」そして「ありがとうございました」と日本語で声かけてくれたのだが、日本人じゃなさそう。でもロールたちはV市寿司屋のスタンダードを軽くクリア。新鮮でしかもシャリが潰れておらず(しかもシャリが黒かったりするというO寿司のような変化球でもなく)ちゃんと寿司の形をしていた。やっぱり人生の極意は期待しすぎないことだな。最初から全く期待してなかったので、「へー、案外いいじゃない」とポジティブな感情のまま店を出ることに成功。

友達と、どこか遠くに行きたいという話をする。なんでもフェリーに24時間乗って行くような場所が北の方にあるんだという。行ってみたいね、行けたらいいね、行っちゃおうか、などと。そのうち、彼女は「なんだか話してるウチにもしかしたら実現しちゃうかもという気がして、ドキドキしてきた」なんてことを言っていた。夏の終わりの前に何か一冒険やろうと約束。どっか遠くにフラりと行ってみたいなあ。

夕刻、メイン通りのブリトーやまで散歩。さっき寿司喰ったのにまた食べるんですか、今度はメキシコですかと腹が聞く。はい、食べるんです、はい。ここ、シブい若者が3人くらい集まって始めちゃいましたという感じのヒップなお店で、前から一度入ってみたかった。店内は蚤の市で集めたような怪しい絵や照明器具なんかが結構センス良く? 配置されている。いろんな怪しい人物画や安っぽい宗教画なんかに混じって、なぜか仕切り中の「高見山」の写真も飾られていた。おめさんら、だっだか分かって飾ってるがぁか?(とN弁で心の叫び)高見山を拝みながらのブリトー。しかも、このお店のメニューは全部ベジタリアンなので、ブリトーの中にトーフさんも入っている。V市では寿司屋とブリトー屋の間にそれほどの距離なし。その真ん中で高見山が仕切っている。