花火と友達

今日はVの花火大会の第一日目。ベトナムの花火が上がる日。
こちらの花火大会は3日に分かれていて、それぞれの日に夜10時から20分程上がる。
海辺の一等地にアパートを借りている友人に誘われて、25階の高層からの花火見物。
Nの花火大会に慣れてしまっている身には、
「あはは、ちっこいー」
とどうしても思えてしまうサイズなのだけれど、
そう遠くもない沖に組まれた櫓から海の上に上がる姿には風情があって、
上から見ると、この櫓をぐるりと囲むように、大小のボートが集まっていて、
それが花火の光を分けてもらおうと集まった小動物のように見えて可愛らしく、
感動が沸き上がってくる。

実はこの感動というのは、これ以上の夕暮れはないというくらいの絶景の中の花火からもたらされたというだけではなくて、
そこに集まっている友達の笑顔やら歓声やらが、そこにあるから、
だから心が温まってじいんとしたのだ。

その瞬間、10人程が並んで座り、小さな花火を見つめる小さなベランダは、
宇宙の大きさになって、
永遠のノートに記憶され、
一言ではいいづらいけれど、行ってみればそれは、
感謝、
宇宙への、命への感謝でもあったのだ。

...などという大袈裟な感慨は内側の奥の小箱にさっと取り込んでみたのだけれど、
気持ちのよい風の入って来る部屋で、
飲んで話して笑って笑って笑って夜は暮れ、
友達といる深夜の部屋はやっぱり宙に浮かび、ぼうっと輝いていた。