ぶらぶら

久しぶりにぶらぶらした。
まだ映画祭の後片付け系の仕事が残っていて、
そんなのをちょこちょことはやっていたのだけれど、
まあ、どうしても今日中に終らせないとどうなるっていうものでもないので、
気持ちはぶらぶらなのである。

ああ、ぶらぶらっていいな。
夜、長い散歩した。
いい犬と道すがら30頭くらいすれ違った。
誰かの犬を見るという、変な趣味が育ったのも、
Vにはやたらにいい犬が多いからなのだけれど、
今日の犬達も、随分楽しませてくれた。
ちっこいの、おおきいの、ふさふさなの、くるくるなの。
そのチコチコ、ソクソク歩く影の後ろには、海辺の夕暮れ。
薄紫の、薄緑の、濃淡の藍の。
翳り行く光のうねる、水面の反映。
浜から濡れた犬が上がって来て、ベンチに座っていた私の足に水しぶきを飛ばして過ぎて行った。

はあ。幸せ。