象さん

夕食、一度も行ったことのないタイ料理店へゆく。
街の中の、あまり来たことのない地区。
ウェイトレスのタイ人のお姉さんの笑顔が、やたらに眩しかった。

仏像が、お店のあちこちにあって、
特に入口のところに、小さなグラスにはいったお水が供えてある、
小さな仏像が、
笑いながら手招きしているのが楽しかった。

料理はとても美味しくて、
さて、帰りましょうか、と思った時に
出口で足にぶつかるものがあるので、
あ、っと見たら、木彫りの象さんだった。

あら、ごめんなさい、象さん。
象さんの頭をナデナデして外に出ると、
まだ陽が残っていて世界が透明であった。

☆ 仏像も微笑みたるや夏の夕