はじまりの・

新作のことを考えながら、まだブラブラしている。
旅の行き先が決まらない、というよりは
旅に出たくない、と思っているのかもしれない。

インスピレーションは、努力してもやってこないらしく、
でも、こういう時は、極限までブラブラするしかない。

ちょこちょこと本を眺めたり、
掃除をしたり、
空を眺めてみたり。

そんなことをしているうちに、
たぶん何か「・」のようなものが空から降って来たり、
地から湧いて来たりするであろう。

ひとたび、はじまりの「・」を見つけたら、
旅は必ず始まる。

尻尾の先を捕まえるようなものさ。
一体何の、一体誰の。
随分と曖昧な虚空を引っ掻き回して、
何もないと思ったところから、
あれ、そこに透明な尻尾の「・」。

不思議なことに、信じていれば、必ずその「・」が
チラリと横切ることがある。

本日、晴天。

☆ 短夜や現の尻尾追いかけし