ありがとう

本日、新作公演。V市の隣り、R市というところの文化センター。この街で今月行われているAsian Heritage Monthというのと、いろんな施設を市民に公開するDoors Openというイベントの両方のレセプションを兼ねたパフォーマンス・ナイトに声掛けてもらった。

文化センターのあちこちの場所で小さなパフォーマンスが上演されていて、それを観客は展覧会みたいにあちこち見て回るというコンセプト。私も小さな部屋を一つもらって、そこで観客を待った。プレゼン用のプロジェクターが設置された会議室のようなところなんだけど、使い勝手抜群。私の顕微鏡シネマ・シアターにはぴったりのスペースだ。観客数は24席。25席じゃないってとこがいいでしょ。ここで11分の作品を何度も上演した。

まず最初にちょろっと入って来たのが子供! コミュニティ系イベントなので、家族連れが多い。すごく緊張してたんだけど、子供が入って来るのを見て心がテヘテヘ笑った。今回の作品は(今回の作品も)言葉がほとんどないのだけれど、最初に短い文章がいくつか、小さい紙に印刷されて登場。これをピンセットでつまんで映した時、子供が一生懸命読んでる声が聞こえて来た。テヘヘ。スクリーンに映っている出来事と横にいる私との関係に最初は気づかなかったらしく、途中で「あ。」と小さな声が聞こえて「ほら、あの人が動かしてるんだよ!」と妹かなんかに教えてた。テヘテヘテヘ。

嬉しいなあ。

中国人のおばあちゃんも、終った後でわざわざ近くまで来て、舞台を不思議そうに眺めてた。作品の中にちょこっと李白の詩が登場するので、それを見せたけど、おばあちゃんは老眼らしくて、紙切れを目に近づけたり話したり一生懸命やってたけど見えなかったみたいだ。でも"This is old Chinese poem!"というと、頷きつつニコニコしてた。

ものを作るのは、なんとも体力・気力のいる作業で、今回もヨレヨレに疲れ果てたけれど、こういう「あ。」やニコニコと出会うと、やってよかった、途中で諦めなくてよかったとつくづく思う。無事終了。「ありがとう」と言われると「え? 私?」と思うのだけれど、観客の方々がわざわざそんな声を掛けて下さって、疲れも吹っ飛んだ。こちらからも心より「ありがとう」。

ちなみに今日は、午後突然、大量の霰が降って来て、不思議な土曜日だったよ。

☆ 生まれたる夜の扉や夏来る