未熟者め

今日の稽古は、最初一人で始まった。10分くらい一人で型の稽古をしていると、いつもやってくるカナダ人剣士の方が来て、稽古に加わった。

鏡に向って、二人とも無言で稽古。

先生が見ていないと思うと、途端に鼻の頭が痒くなったりする。

いつもならば精神集中しているために時間なんて全然気にならないのだけれど、今日は時間の流れ方が遅く、見られていないとダレてしまう自分の性根に嫌気がさした。

どうも緊張感が続かないので、とにかくできるかぎりゆっくりの速度で型を復習することにした。自分に厳しく一つ一つの型を丁寧に。葛藤。結局、自分の心との闘いが、一番難しいのかもしれない。

そのうち、先生がいらして、新しく「四本目」というのを教えて下さった。
わーい、新しい型だーい。なんて、さっきまでダレてた心が弾んだ。全く、未熟者であること極まりない。(たぶん先生にはそれをバッチリ見抜かれている)
そこからの30分は、本当にあれよあれよと過ぎ、稽古終了。
居合いは難しいのだけれど、一つ一つの動きが合理的で面白い。
同時に、いよいよ、その難しさの本当の意味が分かって来た。
道とつくものは、どうしてこんなに深いんだろう。
いつもそれは己というものを私に突きつけてくる。
一つの「道」を極めて居れば、下手な自分探しなんてしなくてよい時代が、
かつてはあった。

☆ 迷いたる人桜にも振り向かず