せんせい

ヨガ教室に行ったら、いつもの先生がいなくて、代わりの先生だった。
この先生も一生懸命やっているのだけれど、
たぶん、一生懸命やりすぎているのだろう、
空気がいつもより騒がしくて、
いつもは一番最後の、寝るだけのポーズ「シャバサナ」の頃には心のずっと遠いところまでしっとりと澄むような感覚になるのだけれど、
今日はどこかまだ騒がしかった。

いつもの先生は、年輩で、厳しいけれど、リラックスしている。
教えていることはほとんど同じなのだろうけれど、
声の調子や、間の取り方、ジョークの入れ方などなど、
絶妙であるということが、今更ながら分かる。
どうやら若い先生は一方的に教えていて、
いつもの年輩の先生は、生徒の体の音を聞きながら、教えている、そんな感じ。
その場所にいる全員と、先生と空間と時間の全部が、一つになる感じ。

先生というのは、すごい仕事だ。
いい先生というのは、すごい人だ。
同じことを習うにも、いい先生から習うと、それが飛び切り楽しい経験になる。
いい先生というのは、何を教えていても、人間そのものの奥に届く。
そんな先生にこれまで何人も出会った私は、かなりの幸せ者だなあ。

☆ 三月や先生宛に書く手紙