人間と布団の関係

被災地のことを考える時、床の堅さがとても気になる。
布団はあるのだろうか、それとも、床の上に薄い毛布かなんかを敷いて、
寝ている人もあるのだろうか。

床に寝る、というのは想像以上に辛い。
まあ、誰でも一度くらいは床なり畳なりにじかに寝たことがあるかもしれない。夏の午後の畳の上の昼寝なんてのは、それほど辛くなくて、大丈夫だったわ、などという人もあるかもしれない。

でも、ふわふわの毛皮に包まれ、体が柔軟な動物とは違い、人間は何がしかの布団がないと眠れない生き物であるということを、かつて痛い程思い知らされたことがあった。

畳の部屋に布団なし。そこに薄いヨガマットを敷いて、何日か泊まったことがあったのだ。

私は人間と布団の関係を甘く見ていた。
まあ畳の部屋なら布団なしでも大丈夫だろうと高を括っていたのだけれど、
体が痛くて痛くて、とっても眠れなかった。
布団がないと、寝返りだって到底打てないことが分かった。

畳どころか床の上だったら、ものすごく寝づらいだろう。
背中はもうバリバリなはず。
避難所が映る度に、布団はあるかしら? 床の堅さは? とつい目が走る。

☆ 耕を待つ鉢どもの七つ程