小箱雛

あかりをつけましょ〜、
と歌ってみた。
今日は忙しくて、雛祭り的なことを何もする時間がなかったのだけれど、
去年、親戚から貰ったミニマル雛飾りを取り出し、
0.5秒で飾った。
千代紙で出来た、とても小さい女雛と男雛が、
マッチ箱くらいの大きさの雛壇に乗り、
それが更にマッチ箱の二倍くらいの大きさの奇麗な箱に入っているのだ。
箱をパコっと開け、
内箱を外蓋の中に重ねて入れたらそれで終了。
なんと我が家にぴったりのこのお手軽雛。
そして、一年に一度しか歌わないのだから、やっぱり折角、
なんて思いながら、
歌った、大声で。
ごめん、菱餅も白酒もなくて。
散らし寿司作ろうと思ったけど、これも時間がなくて割愛。
Vの街には、雛祭りらしい面影が、あるわけもなく。
3月3日だからミミだね、なんて言う語呂合わせもなかなか通じず。
何のこともない普通の一日として、小箱の外の世界は過ぎてゆくのでした。

☆ 雛小箱より取り出しし旅の宿