宇宙とおしくらまんじゅう

当然のことながら、今日も走る。
ここまでどん詰まってくると、
さすがに「ま、なんとかなるさ」という現実逃避が効かなくなってくる。
あれもやろう、これもやろうと思っていた計画のうち、
どれを選択して、どれを捨てるか。
これからはいよいよ時間との最後の駆け引きなのだ。
でも、実は、このステージが一番面白いかもしれない。
というのは、捨てること、削ること、の方に意識が注がれる。
満身創痍の脳細胞軍団が、決死の覚悟でもう一度立ち上がる。
疲れ果てた体は、間違いを犯す。
そこだ!
ちょっとした失敗から、ヒントが零れ落ちる。
あ、これ、おもしろいかも。
火事場の馬鹿力とはこのことか。
変なアイディアが深夜1時すぎ辺りにパコっと生まれたりする。
最後まで、諦めずに駆け引きすれば、きっときっときっとそういう瞬間がやってくる。
押して押して押して。
引いて引いて引いて。
詰めて詰めて詰めて。
もうぎゅうぎゅうのところまできて、自分もあっちも(誰だ?)「すみません、もう勘弁してください」という瞬間のところで、この「パコッ」が起こる。
だから、世界は面白い。
だから、アートも面白い。
もしかしたら「あっち」ってのは、宇宙とかなのかもしれない。

☆ 冬の夜三時宇宙の蓋の開く