妖しい煌めき
読書なんてしてるバヤイじゃないのだけど、
いろんな隙間に最近読んでいるのが、この本。
- 作者: 白洲正子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/02/28
- メディア: 文庫
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能に取り憑かれた頃から、いや、たぶんその前から、
この両性具有的な美というのには、なにとなく惹かれるものがあって、
今でも、日本の古典的な美の多くの部分に、両性具有的な艶とか匂いというものがあると感じる。
Vの寒空の、艶も匂いもない雨合羽の群れを行き過ぎる時、
バッグの奥でこの本が密かに匂い立っていることを、一人じめして心の内側の顔ではちょっと頬を緩めながら、私はゆく。
日本人は、中に何が入ってるかわかんなくて、不気味です、と言われても、こういう妖しい煌めきはずっと内側に灯しておくつもりだ。
☆ 少年の影二つあり冬の星