音織り

ここ数日、音を作る作業ばかりやっている。昼間はその合間にいろいろと用事が挟まるのでとぎれとぎれになるのだけれど、夜は音の切れ端を何度も聞いたり、繋げたり、また聞いたりしているうちにアっと言う間に2、3時間が過ぎてしまう。

彫刻、もしくは、機織りなんかに、ちょっと似た作業かもしれない。
ちょっと付け足したり、削ったりして、それを何度もいろんな角度から見る(聞く)。少しずつ、形ができあがっていくのだけれど、完璧な完成図が最初にあってやっているわけでもない。なんとなく、こっちの方向、というのはあるのだけれど、偶然に面白い形ができてきたりすると、それも拾いあげたり、寄り道したりするので、だんだん形が変わってくる。

機織りに似てるのは、どうしても絶対的な時間がかかるところ。魔法のように3分でできたりしない。ものすごく運良く3分の素敵な演奏ができて、そのまま音として使えそうな場合があったとしても、それをもう一度聞く作業があるので、少なくとも6分はかかる。大抵の場合は、3秒とか、7秒とか、そんな長さの音を繋ぎあわせて糸を撚るところからやっているようなわけなので、3分の音の織物を作るのに、5時間とか10時間くらいかかったりする。

というわけで、夜なべ仕事。外は冷えに冷えてきた。

☆ 音を織る夜粉雪の降りにけり