映画日

Vアジアン映画祭を見に行く。
まずは朝11時の上映。朝に映画見るってあんまりやったことないけど、頭の冴え感が夜とはまた違って、なかなか楽しかった。作品は1960年代にアメリカでブラック・パンサー党というかなり過激なアクティビスト集団を作った中心人物の一人、リチャード・アオキという日系アメリカ人のドキュメンタリー『Aoki』。アジア系なのに、ブラックと手を組んだところが、かなりユニークである。こんなラディカルな日系人がいたなんて、全然知らなかった。

ここで、しばし休憩。用事を済ませて、また映画館に出掛ける。

雨が降り出した。暗い夕方。まあ、こんな日に映画というのも悪くない。

二本目は赤ん坊の頃にアメリカに養子に出された韓国人男性が、実の母を探し出して再会するというドキュメンタリー『Resilience』。北米では養子縁組というのは日本と違ってとても盛んなのだけれど、その裏にはいろいろな問題も潜んでいるようだ。この映画のケースでは、韓国人のシングルマザーであった母親が知らないうちに、親戚が決めて赤ん坊を送り出してしまった養子縁組であったとのこと。シングルマザーが今よりもなお受け入れられ難かった時代に起きた悲劇である。ただし、アメリカで育った彼のおいたちが必ずしも不幸だったわけではない。養子に出されなければ、赤ん坊が死んでしまうというようなケースだってあるだろうし...。難しい問題。

そのまま街のカフェなどで仕事しつつ、夜の映画に突入。

台湾のラブロマンス『Au Revoir Taipei』。プロデューサーの一人にヴィム・ヴェンダースも名を連ねている。コミカルな味の、楽しい、とってもキュートな作品。俳優陣の演技がとても良い。女優も男優も、やたらにカワイイ。特に、主人公のボケた友人Gaoを演じているPaul Chiangが儲け役。
同じ話を東京に置き換えてみたら...なんて勝手に想像してみたけど、東京だと、もうちょっとスレた感じになっちゃいそうなので、途中で空想を止めた。

帰り道、映画の中の水餃子があんまりにも美味しそうだったせいか、つい居酒屋で小龍包なんか注文してしまった。

☆ 恋愛の映画を見たり初時雨