黒い物体
一日終わって、浜まで自転車。もう夏の真ん中は過ぎてしまったようで、風が冷たい。途中でフワフワ、モサモサ、チョコチョコなど、いろいろないい犬たちを通過した。
途中で大きな夕陽が見えて、少し眩しくて、Vイギリス海岸に着いた時には、もう太陽は水平線の向こう側。それでも、余韻で空がまだ明るくて、水面が薄いオレンジと薄い水色の光の斑になって輝いている。何に似ているかと問われれば、モネの『睡蓮』の色に似ている。その色とも光ともつかないさざめきを背景に、恋人達や子供のいる家族、犬、自転車、友達5人などがシルエットで浮かび上がっている。遠くには船。それも漁船ではなくて、どこか遠くからやってきて停泊している大きな貨物船。絵になる。とても。
自転車を止めてそんな淡い水面をぼんやり眺めていたら、黒い丸い影がポチョと浮かんで、「あ」と目が釘付けになった。
黒い物体は、プカプカ、キョロキョロとして、それからまたポチョと水中に消える。
それからしばらくして、また黒いのがプカっと出て、少し移動して、キョロキョロ、ポチョ。
浜からほんの15メートルくらいのところだよ。
アザラシ。
最初は泳いでる犬かと思った。
浜に集まっている人間どもを、キョロキョロ観察中。
こっちもあちらをキョロキョロ観察中。
朝顔日記:54日目:天気回復でホッと一息、というのは勝手に感情移入。
☆ 沖の船今日一つ減り秋の立つ