怠けの極意

一日中、ああでもないこうでもないと作品の実験をしていたのだけれど、どうもちょっと暗礁に乗り上げて来た。これは何かをゼロから作ろうとする時に、いつも起こることなので、「あ、来た来た」という感じでもあるのだけれど、実際にこの乗り上げる感じ、先に進めず、濃い霧に包まれている感じの中にいると、このまま解決策が見つからないのではないか、という途方もない不安に襲われもする。

大抵、ものを作り始めて一週目はスイスイ行く。二週目になると、ちょっとムヅカシクなってくる。三週目くらいに、煮詰まって来る。いろんな要素はもう出て来ているのだけれど、それをどうやって繋げるのか。繋がるのか、繋がらないのか。力業で繋がる時もあるし、もうどうやっても繋がりようがないので、もう一度壊さなければならない時もある。ポンと別の地平に遊んでみたら、繋がる、なんてこともある。

こういう時はウンウン考えても、大抵は効き目がない。ウンウン、とやって、あとはしばらくボーっと他のことをしていると、ほわわわん、面白いものが頭の後ろの、知らない場所辺りから浮かび出て、自分でもびっくりしたりする。または、とにかく手を動かす。頭よりも手。それでなにかごちゃごちゃとモノをいじくりまわしていると、あれれっと面白いものが篩の中に残っていたりもする。ただし、どちらにせよ、偶然の入り込む隙間を残しておかないと、この面白さ=「!」は出て来てくれない。狙いすぎると「!」は逃げてしまう。この辺の意識の遊ばせ方が結構微妙なのである。

というわけで、傍からは、どう見ても遊んでいる、怠けている、ゴロゴロしていると思われている私は、実はいつもこのようにデリケートな意識と無意識の遊び場で、宝探しを真面目にやっている、つまり四六時中仕事しているのである。ホントだよー。えっへん。

朝顔観察:4日目:水やり。変化無し。

☆ 昼顔の捩れ緩むや路地の風