雀を腕に乗せる

お昼に、近くのレバノン料理店でテイクアウトした美味しいものを持って、オリンピックの選手村まで歩いて行って、そこでランチ。

別にVには梅雨なんてないのだと思うのだけれど、曇天に寒風。今にも降りそう。選手村であった場所は新しいコンドミニウムが立ち並ぶ全く新しくできた小さな街という感じなのだけれど、ここにはまだ誰も住んでいない。ゴーストタウン。いるのは犬の散歩なんかをしてる人と、ガードマンだけ。

計画的に作った小さな街なので、ここにはコミュニティーセンターだとか、広場だとか、ベンチだとかゴミ箱だとかが全部きちんと揃っている。でも、やたらと人工的な感じで、ちょっとよそ行きで、なんとなく落ち着かない揃い方をしている。まだ、誰も(選手以外には)袖を通していない、まっさらの空間だからそんな違和感があるのかもしれない。人がたくさん通過して、ちょっと空間が汚れたくらいの方が生活感があっていいのかもしれぬ。

ここの広場には、ベンチのつもりなのか、それともアートのつもりなのかよくわからないようなでっぱりや建造物がたくさんある。その中で、間違いなくこれはアートだ! と皆が指差すのが2つだけある。それは、広場の両側に仁王様のようにたちはだかっている、二羽の巨大な雀の彫刻なのだ。デカいよ。高さ3,4メーターくらいはある。一羽は空を向いていて、一羽は横(下だったかな)を向いている。アブストラクト彫刻じゃなくて、リアリズム彫刻なので、もうどうこからどうみても雀の形と色艶。このオブジェ、結構好きだ。

とか思いながらピタに包まれた羊肉とハムスの混合美味しすぎをむしゃむしゃ食べていたら、向うの方で屈強ガードマンが二人で写真撮影し合っていた。撮られる方は、変な形に腕を前に突き出している。ガッツポーズで男っぽさを演出してんのかな、と思ったら、背後にいる雀が腕に乗った形で写るようにしてるらしかった。かわいいねえ。

帰り道、工事現場にできた巨大水たまり(池もしくは湖と呼んだ方がいいくらいデカい)の上を、燕が何羽も飛び回ってた。そして、その横ではカラスが三羽水浴びしてた。平和だなあ。

☆ 繰り返しまた返すなり親燕