動物睡眠

昨晩はさすがに9時半というわけにはいかなかったけれど、10時に寝た。寝床に入ると、その次の間にはもう柔らかい眠りらしきもののもやもやにくるまって、体から力が抜けて。そのくらい眠かった。昼寝したのにねえ、あんなに。

そして、今朝は5時ではなくて、6時半くらいに目が覚めた。目覚ましなしで。わあ、丁度7時間半だ。おもしろい。それから、朝は絶好調。昨日みたいに眠くもないし、頭は冴えるし、体も真っ直ぐになる。やっぱり睡眠は大切だ。睡眠を削るスタイルは自分には向いてないと確定。

時計を見て、何時に寝るだの、何時に起きるだのとごちゃごちゃ言っているのは、しかし、動物の中でも人間だけで、私たちは、とってもヘンなやつらだ。こうやって昨日辺りから、「何時に寝て何時に起きるのが私にとってベストなのかしら」とか「どうして生まれて今まで、この『ベストな睡眠』について、もっと真面目に考えなかったのかなァ」とか、発達した知能とやらがごちゃごちゃと理屈をつけるのだけれど、野の鳥、原のきつねなどは、もっとずっと偉い。こんなこと考える前から知ってるからだ。完璧なタイミングで眠りについて、完璧なタイミングで起きる。それは自然と完璧に連動してもいる。

それとも、きつねにも寝不足とかあるのかな、ああ昨日はつい食べ過ぎて、兎の尻尾を追いかけすぎて、それにあんまり月が奇麗なんで、跳ね回りすぎて夜更かししたよ、なんてことがあるのかな。そんなことをまた考えている我ら人間は、やっぱりヘンな動物だ。
「いちど、でんきをパチンと消して、そうやって日をおくればいいのに」
と、黄色っぽい誰かの声がした。人工的な昼と夜の改造に染まった人間が自然のベッドに戻るのは、なかなか容易ではないらしいよ。

☆ 動物の眠り眠れや薔薇の夜