時空を超えた夜

肉、肉、と今日も呟きながら、夜の街へ肉ハンティング。かなり肉気の多そうな、アフリカ料理店に入る。
チキン牛ラム+海老。これくらい海山の肉を食べれば、春愁も収まるであろう、と。あ、そうだ。今日は、もう五月。
空は青いし、雲は輝く。とっても五月らしい一日目だった。日が暮れると、昼間の光線が嘘のように、肌寒く透き通った青になったところもね。

肉の効果は絶大であったけれど、どうも今夜はアフリカンな気分に浸りきれなかった。というのは、なぜかウェートレスさんが全員日本人なのだ。
そう言えば、昨日の肉体験(怪しい響き)も、店員さん全員が日本人だった。
Vは日本人の若者で溢れているのだ。恐るべし、日本人青年の海外流出。
スパイシーなアフリカン・フードを食べながら、なぜか耳に入って来るのは日本人の雑談。
タイ料理店で、ボサノバがかかっているような、このズレ。
空間が、かなり歪んだ。ここはどこだ。どこなんだ...。
Vに居ながらにして渋谷あたりに居るような、変てこな夜だった。

☆ 躊躇いもなく窓開けて五月かな