また始まるために、映画は終わる
Vの北、ノースVまでシー・バスに乗って行く。船に乗るだけで、足をバタバタさせるピヨコ。船の先っぽの、外がよく見えるところに座りたがるのは、一に子供、二にピヨコ。ピヨコはさすがに添乗員であるからして、子供を押しのけてまで展望席に座ったりはしないけどね。えへん。
本日のメインイベント:映画。
年がこんなにも押し迫った頃に、街の中心からちょっと外れたところにある小さな映画館でマチネと洒落る。ピヨコ曰く「この寂しいような楽しさがたまらない」んだそうです。確かに、何かが終わる時、世界の中心の中心の、電飾がピッカピカに光って、誰もが狂喜乱舞しているような場所よりも、ちょっとそんな騒ぎから外れたところの、特に何の取り柄もないような普通の場所の、しん、とした空気の中にいたいと思ったりすることはある。場末の映画館ってのは、そんな心にしん、とくる一つの終わりには、最高の場所かもしれない。
息子は「お、この映画館、ダウンタウンのシネマより料金が安い」なんていう現実的なことにカンドーしていたが。
さて、本日の映画はコチラ。
- アーティスト: Kyle Eastwood,Michael Stevens
- 出版社/メーカー: Watertower Music
- 発売日: 2009/12/08
- メディア: CD
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クリント・イーストウッドの新作。ネルソン・マンデラと南アフリカ・ラグビーチームの物語。さすがクリント。隙なく非常に上手く出来ている映画。ちょっと考えさせ、ホロリとさせ、ハラハラ手に汗握り、そしてカタルシス。上質のエンターテイメント。ピヨコの隣りに座っていたおばさんは、南アフリカのラグビー・チームがスコアする度に拍手までしていた。本当の試合でもないのに...。お客の気持ちをそこまでガシっと掴むとは、たいしたもんだぜ、クリント。
ピヨコは「ネルソン・マンデラすごい...」なんて呟いて、何やら手帳にメモしていた。どうやら、来年のピヨコはちょっと違うらしい。
とってもいい具合に、何かが終わってゆく。
また新しい始まりを迎えるために。
年の瀬に映画館。結構深いぜ、ピヨコ。