プレゼントの中身

曇り空の中を、今日もいろいろとお使いに走る。郵便局では長蛇の列が。こちらでは郵便局がセブンイレブンの中にあったり、雑誌屋さんのようなところの中にあったりするのでちょっと変なのだけれど、今日も雑誌やというか、雑貨屋というか、なんとも名前のつけにくいお店の中にある郵便局で並んでいたら、お店の入口から巨大なカートに山積みの箱やら袋やらを乗せた郵便屋さんが入って来て、郵便局に荷物を運び込んでいた。配達の時に不在だった荷物をこの場所に届けて、受取人が取りに来るというシステムになっているのだけれど、お店の裏側からじゃなくて、お店の正面入口から荷物を運び込んじゃうところが大胆。私の目の前でカートから零れ落ちる箱たち。郵便屋さんは手早くそれをカウンターの向うに積んで行くのだけれど、なんとも無防備。C国でよく郵便物が紛失される理由もちょっと分かるような気がする。

列に並びながらもカートを避けてくねりと立っている私のすぐ横に荷物の山があるので、見るともなく荷物を見てしまったのだけれど、箱にサンタクロースのシールなんかがカワイく貼ってある箱や、もうものすごく巨大な箱など、これは間違いなく、世界のあちこちからVにいる家族親戚友達へと送られたクリスマスプレゼントの箱だ。

それにしても、デカい箱が多いぞ。一体何が入っているのかな。Vでは手に入らない食料品やお菓子なんかが詰まっているのもあるだろうし、洋服や人形なんかが入ってるのもあるだろうな。プレゼントを送った人と、プレゼントが届くのを待っている人との、二つの笑顔が弧を描いて繋がっているのがぱあっと見えて、こうやって今あっちからこっち、そっちからあっちへと送られて飛んで届こうとしている無数の荷物の両端にある笑顔のことを考えたら、世界のありとあらゆる場所にクリスマスライトが灯ったみたいに、チカチカと輝きながら笑った。

こっちの大きいのはオモチャかもしれない。線路をぐるぐる回る電車かな。それともスーパーヒーロー変身グッズ。それともボウリングセットかな。それともやっぱり中身はWiiとかBand HeroとかiPodだとかで、ボウリングセットなんて、今時入ってないのかな。

勝手な妄想しているうちに、郵便屋さんがサンタクロースに見えて来た。そういえば、昔、まだサンタクロースがウチに毎年やってきた頃のあるクリスマスイブの夜に、盲腸が痛くなって病院に連れて行かれて、吐くし発熱するし、点滴で腕がぱんぱんに膨れて曲がらなくなるしで、とんでもないイブになった翌朝、枕元にサンタクロースが置いて行ったのは、小さなピンと小さなプラスチックの人形のボウリング選手のついた、ボウリングゲームだった。人形の手のところに玉を置いて、人形を引っぱるとバネの反動で、ボールが転がって小さなピンがコトンと倒れるんだった。クリスマスケーキはおあずけだったけど。クリスマスの朝はやっぱりドキドキして、まだ外が青い頃に目が覚めて、全部がどこまでも透明だった。痛くて、悲しくて、でも懐かしいクリスマスの思い出。