凛ちゃんを求めて

雨模様の朝。昨晩は久々の舞台? だったので、ちょっと筋肉痛。体を使いました、というハンコが押されているような幸福な疲労。この感覚久々なので、ちょっとニヤニヤしてしまう。なぜか左手の小指の付け根の辺りが紫色に腫れていたりもする。何をしたのか全く覚えていないのだけれど、(シラフだったし...)どうやらどこかにしたたかぶつけたらしい。このくらい青くなっているということは、かなりの衝撃を受けたはずなのだけれど、全く覚えていないということは、昨晩はかなり空中を飛び回っていたのだろうな。いつものことながら、舞台に上がると血圧がぐわんと上昇。緊張はしなかったけれど、興奮はしたんだと思う。でも普段が極端な低血圧なので、ぐわんと上がった辺りで普通の人の普通の血圧くらいに到達するらしく、血の巡りが良くなって脳細胞が活性化するのやら、世界がいつもよりくっきりとした輪郭で現れてキモチイイ。ちょっとアブナイな。でも、世界といちいち改めて出会う感じがたまらなく面白いので、それでついまた一芸やってしまうのだ。パフォーマンス中毒自己申告。

それにしても、舞台で血圧が普通の値になってる時以外は、やっぱり半冬眠してるような感じで、とすると人生のうちの98%くらいが半冬眠状態で、世界の輪郭がややぼんやりしたままに日々を送っていることになる。勿体ないよな。自分がもうちょっと目を覚ませば、世界はいつでもくっきりとはっきりとそこに待っていてくれるのにね。世界の満面の笑顔を随分と見逃しているのだよな、と思うとちょっと悲しくなる。よし、人生のうちの少なくとも30%くらいは目覚めていられるように...待てよ、既に人生のうちの1/3は睡眠してるから、1/3の1/3 = 1/6くらいは目覚めていて世界のくっきりとした姿を愛でられるように、そうなるように人生設計しなおして見ようか...。もう十分に寝た気がする。

とはいえ、今日はソージなどしながら、ぼちぼちと日を過ごすことにする。宴会芸の準備などなど、珍しく最近忙しかったので、モノがあっちからこっちから攻め込んで来て部屋が合戦場と化している。それを朝から一つ一つもとの場所に戻して、掃除機を隅の隅まで掛けてみる。昔はモノが散らかり始めるともうどうすることもできなくて諦めたのだけれど、最近はソージ慣れしてきたので、だんだんと空間が整っていくゲームをやっているみたいで結構楽しい。そして、ソージが完了すると。おー。空間の空気が完全に変わった。凛とする、という言葉のリンという音そのままの空間。姿勢を正した古風な美女のオーラが部屋に立ち上る。変わるんだよなあ、本当に。美女が、本当に立ち現われる感じなの。この美女の清楚で透明な美の虜になってしまったので、ソージが嫌ではないばかりか、美女がそこにいないと落ち着かない。そういえば、お能の舞台だとか、神社の社殿だとかで出会って、一目惚れした美女と姿が似ているかもしれないな。うちにいるのは凛ちゃん、能舞台にいるのは凛さん、という感じだけれど。

ソージ完了後、ヨガクラスにゆく。シャバスナでまた寝た。随分長い時間が過ぎて、L女史の優しい声が聞こえた時、うあっ、とかろうじて目が覚めたけれど、意識はかなり長い間宇宙の果てに浮かんでいたようである。ソージといい、ヨガといい、空間や宇宙と仲良くなる方法というものが、どうやらあるらしい。