幻の電車出現。

今朝もやたらに晴れてるなあ、気持ちいいなあと窓の外を見ると、何やら向うの方に人だかりができている。方角的にはオリンピック村に近い方面。人だかりの中にはオレンジ色にバッテンマークが白く光るジャケットを着た工事現場のおじさん達多数。でもそれだけじゃないぞ。三脚を立てたカメラマンも多数。何が起こってるのだろう。

双眼鏡で覗いてみた。そこには想像を絶する光景が広がっていた!!!

人だかりの中央には巨大トレーラーが停まっていて、何やら銀色に光る物体がその上に乗っかっている。肉眼でも見えていたはずなんだけど、まさかそんなものが突然その場所に出現するなんて思いもよらなかったので、目が認識を拒否してたようである。さて、その巨大な物体とは...

これです。じゃじゃん。

そうです。電車です。電車と言うよりはトラムとかそういう感じかな。いやあ、びっくりした。昔、地下鉄をどこから入れるのか考えると夜も眠れないとかいう漫才のネタがあったけど、どっかから運んで来た電車を線路に入れてる所を見たのは生まれて初めて。しかも、何の前触れもなく大量の人影がぞぞぞとやってきて作業を黙々とやっているので、宇宙人の子供が突如地球のC国のV市のオリンピック村近くで電車遊びがしたいーとダダをこね、お父さん宇宙人の指令によって派遣された宇宙人軍団が朝霧に紛れてこそっと電車をレールに乗せてるところなんじゃないかと、かなり疑った。

と、驚きで目をしばしばさせつつ「おー」とか「ひー」とか興奮の声を発しているうちに、作業はどんどん進む。あ、かなりもう乗っかりました。

いやはや、これでまたVに新しい交通網ができて、しかもそれがウチのすぐ近くだったりするので、あまりの便利さで卒倒しそうだ、どうしよう、なんかワクワクするーなんて浮かれていたのだけれど、その後のラッコ情報によって、またしても驚愕の事実が発覚。

この電車はベルギーから車両を輸入したらしいのだけれど、運転されるのはオリンピックの開催される前後2ヵ月間に限定。その後はまた消えちゃうらしい。淋しすぎるー。儚すぎるー。なんだか飴玉をもらって、口に入れようとした瞬間に取り上げられるような気分。V市は買ったのかな、この車両。それとも2ヵ月リースで電車を貸してくれる貸し電車屋さんとかあるんだろうか。変だー。2ヵ月だけの交通網ならバスでもいいような気がするけど... ...。ひょっとして、Vよ、お前はバリバリ見栄張ってるのかい?

ちなみにV市もその中に含まれるBC州では、アート関係の助成金が92%もカットされることになったんだって。州で$が出ないのならば市に期待がかかるけど、オリンピックでお金を目一杯使っちゃったV市には、アートに注ぐお金はどうも残っていそうにない。電車も欲しいけど...。街の未来はどっちに行くのやら。