アザラシ目撃!

トマト17号収穫。寒くなって来た。植物連がどこまでサバイバルするのか、そのうち室内に避難させるべきなのか、迷うところだ。本日C国はサンクス・ギビングデーなる休日。日本語に訳すと感謝祭というやつである。この行事、C国とお隣A国にあるらしく、A国にE国より最初の移民ピルグリムファーザーズがやってきて、最初の収穫の季節を祝うというのがそもそもの起こりらしいが、今では家族が集まってご馳走を食べる家族行事化しているみたい。

この日には七面鳥の丸焼きなどを作るのが一般的。よし、それならば、郷に入っては郷。やってやろうじゃないのと鶏一羽丸ごと購入。その他、ビーツ、パースニップなどの根菜系も入手。これらを焼いて、サンクスギビング的な雰囲気を味わっちゃおうという企画であった。

...であった。なのだが、天気もまずまずだし、ホリデーなのに家でぶらぶらしているのも退屈なので、長い散歩に出た。目指すはV市のダウンタウンの西に位置する巨大公園スタンレーパーク。海沿いをぐるり一周するだけで数時間はかかるという、かなりの規模。風がちょっと寒いし、空は鈍色。それでも、雨の季節が始まる前の最後の休日とばかり、散歩自転車ローラーブレードなどを楽しむ家族連れの姿多し。

丁度、公園の外周を半分くらい歩いた辺りで、超巨大貨物船が港に入って来るところに遭遇。アイルランドと書いてある。アイルランドから来たのかな。アイルランドは大陸のあっちの端の更に向うなのに、どこをどう通ってやってきたのだろう、などとその長い旅を想像する。甲板からすっと空に向った監視台の上に、人の姿あり。ああ、ようやく陸だ、なんて懐かしく思っているのだろうな。

ちょっとしたビルを横にしたのよりももっとでかい貨物船が通過して暫く歩くと、ん、何やら海上に動きが。

あ、あのぬるりとしたパパイヤ形のシルエットは!

出ました、アザラシ。

貨物船の通過で驚いたのか、人間が眺め下ろす遊歩道から1-2メートルくらいの至近距離に登場。アザラシ頻出のVと言えども、こんな至近距離で拝めることは少ない。思わず、その辺を歩いている子供なんかに「ほら、あそこ、アザラシ!」などと教えまくりながら鑑賞。すぐに人だかりができた。本日のやたらに泳ぎ回りイキのいいアザラシ。一頭かと思ったらなんと3頭(親子連れ?)だった。親とおぼしきアザラシは警戒シグナルなのか、コミュニケーションなのか、水から姿を見せる度に、尾っぽで水面を「バシャン」と叩く。子供とおぼしきチビはゆらゆらと波間にぼんやり浮かんでいる。その周りを他の2頭がぐるぐる泳ぎ回り、出たり入ったりを限りなく反復。ときどき、キョロっと顔出した時に、こっちと目が遭う。アザラシって、表情が犬にすごく似てる。

いつまでも見ていたかったけれど、まだすぐそこいらで泳ぎ回る彼らを後に、公園の残りの半周を歩いた。歩いているうちに、風の冷たさと湿度の具合のせいか「ラーメン食べたい」という気持ちがどうにも沸き上がって来て、鶏の丸焼きは明日に延期ということにして、ラーメン&ギョウザなどほくほく食べて帰って来た。気合の入っていない感謝祭であること極まりない。