光の差

本日快晴。朝から外の光が強く、そして白く、空は雲一つなく晴れ渡り、ビルも山も、道行く人も皆どこか輪郭がくっきりとしている。こんな日には、心の中までその光が浸透して、少し何かが内側から軽くなる感じがする。ここのところ寒くなるし、一年はどんどん過ぎて行くしでなんとなく内側が重くなりがちであったのだけれど、今日はお天気に浮かされて深呼吸、光を楽しみながらサラダミックスを更に間引きしてみる。間引きをして一晩経つと、朝にはまた一段と大きくなっているのが不思議&わくわく。今年の夏は植物連に目一杯楽しませてもらったなあ、そして秋になっても。サラダはぐんぐんと伸びてゆく。

さて。V市のテレビ状況というのは、Nのそれともお江戸のそれとももちろん違う。VでC国の番組が映るのは当たり前であるが、隣国Aの番組もいろいろと映る。C国の中でも「マルチカルチャーチャンネル」などというものがあり、時間帯によって中国語のドラマをやってたり、スペイン語だったり、韓国語だったりする。そもそもC国ではフランス語も公用語なので、仏語のチャンネルも多し。基本的にTVは全てケーブルなので、チャンネルのバンドルを契約するという形なんだけど、その気になれば日本の番組をやってるチャンネル(迷わず購入)だとか、スペイン語のチャンネルだとか、いろんなのが選り取りみどり。

カウチにふんぞり返って、リモコンを駆使しつつ、ピポッピポッっとチャンネルを変えながら、いろんな国で作られたTV番組をあっちこっち飛びながら見るのって面白い。A国とC国のドラマなどの作りは非常に似ている。A国の民に言わせると、C国が我々の真似をしているのだ、ということになり、A国のエンタメ業界は世界中で真似されていることからしても、たぶんこの考えは正しい。ただし、『The Office』などという人気シットコムのようにA国にあるものは、海を挟んだ向こう側、っていうか歴史の上流にあるB国で発明されたもののコピーであったりもする。C国にも直接B国の影響が入って来ているものも多い。もちろんC国独自のノリというのもあって、トレーラー・パークのどうしょもない住人達が繰り広げるドタバタコメディ『Trailer Park Boys』なんかは「あー、すごくCだなぁ...」と感心しつつ、とっても下らないのだが素顔のCの迫力ありで、ついははっと笑ってしまう。

日本のドラマとA国のドラマを横並べにしてみて、一番の違いは照明の使い方。つぎ込まれた$の分量も違うのかもしれないけれど、近頃のA国ドラマの照明は『CSI』系に代表されるクール系お洒落系照明がやたらと多い。色フィルター使いまくり。最初は新鮮だったけど、最近はちょっと飽きて来た感じ。ただ、CSIほどスタイリッシュな照明でなくても、かなりきちんと照明が当てられているという印象のプロダクション多し。そしてニッポンのドラマ照明とは! ... NHKは特にすごいな。部屋の蛍光灯とかそのまんま使って撮ってるような。このなんとも寒々として雰囲気は演出なのかそれとも「ま、映るから撮っちゃいましょうか」ということなのか、いつも悩む。そして極めつけは、NHK民放の区別なく、しばしば出て来る不思議な露出オーバー。窓からの光が人物の背景にあって、それがあんまり明るいので色も形も思いっきり飛んでしまっている。まさか窓の外に巨大ライトを置いて、この効果をわざわざ出してるわけじゃないよね。部屋の中が暗いので、人物が映るように調整したら窓からの光が強くなって飛んじゃいましたー、というこの不思議な絵が、気になり始めたせいか、最近やたらに多いんだよな。

と、そんな余計なことばかり気になるので、肝心のストーリーの方にはあんまり注意がいかなかったりして。ま、照明の方針にどうやら違いがあるらしいというだけで、A国のTVの光の方が絶対的にJ国のよりいいというわけでもないし、増してや光が良くても番組の内容は最低というケースも結構あるので、これまた何とも言えないけど。

そして、更には。
そう、恐怖のBGM。ああ、なぜここに、このベタな音なのか...。
これに関しては、話し始めるとやたら長くなり、血圧も上昇するので、またいずれ。