押したら消えた

今日は晴れ。しかし、なぜか調子がめっちゃくちゃに悪い。不安の雲? とでも呼べそうなものが、世界の隅々にたちこめているような感覚。いつもならここで「ああ、憂鬱だな...」と諦めるのだが、今や脳に関する知識を得てしまったので、今日はこの曖昧なる気分にちょっと対抗してみることにする。

まず、座禅。がんばって「結跏趺坐」でやってみる。呼吸を整えて。と、まずここで呼吸がなかなか整わない。脳内で何かが起こっているこの気配。やはり何か化学物質が出てるんだろうか。それとも必要な化学物質が出てないとかいう、そういうことなんだろうか。ともあれ、一度こうした脳内変化が起こった場合には、なかなかそれに対抗するのは難しい。座禅すること10分。(短すぎるね、いや、短い)浮かんで来るのはありとあらゆる妄想。そして、怒りやイライラといった感情の渦。いや、煩悩のエネルギーってすごいもんだ。煩悩のエネルギーを発電に使えたら、たぶん人類の未来は明るい。そうだ、これはノーベル賞ものかも...

なんてことを言ってる場合じゃない。煩悩は消えるばかりか、ますます荒くなる息。だめだっ。今日は座禅をもってしても太刀打ちできそうにない。

と、ここで作戦変更。昨日からの読みかけの本を読むことにした。とにかく、何かに集中すれば、きっとこの不愉快なムードは去ってくれるはずだ。と、目は活字を追うのではあるが、ぜんぜん頭に入って来ない。視神経から送られる情報を遮るこのどよどよとしたものは何? またしても煩悩か。くそ、煩悩め、一体お前の正体は何者なのだ。この波打つものは。このゲーッっと吐きそうな邪悪な色合いは。全てを焼き焦がす臭い炎は。お前だな、ツンツンツンと、脳のあっちこっちを刺激して、この重たいムードを作り出しているヤツは。脳というのは恐るべき記憶の集大成でもあるので、こういう時にはなおさら始末に悪い。ツンツンツンとつつく先にはいろんな過去のネガティブな記憶があって、そいつらが活性化されるもんだから、もうどこまでもどこまでも堕ちて行く止まれない反復運動。

活字を追う目、そしてそれを理解する脳。その真ん中辺りのどこかで何かが猛烈に邪魔をして、暴れているということは分かるのだが、それを止めることがどうしてもできない。読書も煩悩の総攻撃には打ち勝てず、敢えなく退散。

うーむ。そうか睡眠か。ということで昼寝。しかし、これもまた起きた瞬間に憂鬱雲がたちこめてアウト。

うーむ。というわけで続いて入浴。入浴してリラックスすれば、脳内のバランスが変わるんじゃないかと期待。
しかし、本日の憂鬱は入浴をもってしてもまだ消えてくれない。

と、風呂上がりに、なにげなく足ツボを押したら、あ〜ら不思議。憂鬱がフっと消えた。化学反応みたいに、一発で消えたのだ。しかも、足の変なところのツボが猛烈に痛いということ発見。なんなのだろう、ストレスのツボ? ユーウツのツボ? 驚いたな、こんなにはっきりと憂鬱が瞬時に消えた瞬間に出会ったのは初めて。足ツボ恐るべし。たぶん足ツボを押すと、それがどっかの何かに繋がっているんだろうと思うのだけれど、いや、不思議だ。

また今度、ユーウツが攻めて来たら押してみようと、今から不謹慎にも楽しみだったりする。