久々に観光客気分

曇天。今日も肌寒い。ダウンタウンでM嬢にE伝授。つい最近一年の予定でV市に来たM嬢であるが、ご家庭の事情で急遽帰国されることになった。帰国まで数日を残し、まだV市観光もロクにしておらず、お土産ショッピングもやってないというM嬢と共に街へ。語学もまた「書を捨てよ、町に出よう」が王道る。街の中で口からポロリと出た言葉は、そのまま身体の一部になる。

E語でおしゃべりしつつ、向ったお土産やはしかし、扉を開けた途端にそこに日本の飛び地が広がっているという100%日本人向けの店。店員さんは全て日本人、そして表示も全て日本語。なんかこう、もうちょっと風情のあるC国風のお店で...などというブーイングが聞こえるが、数日後に帰国を控えたM嬢に街を彷徨い歩いてお土産を探す時間なし。背に腹は代えられず! 日本人のおばさんの立て板に水の如き売り文句を適当に聞き流しながら、はいはいはいっとメープルシロップアイスワインシロップ、メープルキャンディー、メープルココアなど購入するM嬢。なかなかの決断力。

さて、お土産の大部分は無事ゲットしたのだが、なんとM嬢はV市一番の観光地グランビル・アイランドに行った事がないと言うではないか。ああ。V市に来たら誰もが一度は行くというグランビルアイランドも見ずして日本に帰るなんて。そりゃ、あんまり寂しすぎる。しかもM嬢は自分の留学計画を中止しても家族を優先する家族思いのとっても素敵な娘さんなのである。ううん。見せてやりたい。

と、ここで隠し技ラッコ電話が登場。V市ではラッコに電話すると車で迎えに来てくれることがある(真相は自分で確かめるように)。M嬢と共にラッコ車に乗り込み、グランビル・アイランドへ。ここはアイランドと名前がついてるけど、離れ小島じゃなくて、普通に車や徒歩で行ける入り江に面した島っぽいゾーン。昔は島だったのかもしれない。まずはザ観光名所「グランビル・マーケット」へ。「えーーーーーーーー、ひろーーーーーーいーーーーー」と奇声を上げるM嬢。八百屋さん、肉屋さん、チーズやさん。各種スモークサーモンよりどりみどりの魚屋さん。チョコレート屋さんにドーナツやさん、ベーグルやさんにファッジ(砂糖の塊みたいなお菓子)やさん。そして各種クラフトのスタンドが目白押し。

「いや〜ん、ここ、かっわいい〜」などと、テンションがかなり上がってきたM嬢。スモークサーモンもお土産としてゲット。島の中もちょっと散策して更に犬グッヅ店、絹織物店、おもちゃや、地ビール醸造所あたりもぶらつく。入り江沿いにある水上の家々「ボートハウス」付近も散策。ここ、本当に水上に家が建ってるの。潮の満ち引きに合わせて家も上下するらしい。自家用車の代わりに自家用ヨットなんかが横付けされてるのが面白い。とってもカワイイ家家である。「わたし、ココに住みたいです! これ、最高! あ、屋根の上にデッキもある〜」などと興奮するM嬢。グランビル・アイランドを満喫した様子(地ビールも購入!)で、よかった。

「きれい〜」を連発するM嬢の目を通してみると、もうすっかり見慣れているV市の風景もなんだかいつもよりキラキラしているみたいだった。M嬢に幸運あれ。そして、またいつかV市に戻って来たら一緒にE世界を楽しみませう。